2011年2月19日土曜日

失敗学のすすめ

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今年の2冊目。(正確には違いますが)

会社の偉い人からのお勧め本という事で読んでみました。アマゾンで1円でした。

たまたまこの本を読む前に「失敗の本質」を読んでいたので((まだまとめていないんですが)失敗本をつづけて読むことに。2冊を読み終えて、ベストプラクティスから学ぶ事も多いんだろうけど、それ以上に失敗から学ぶ事のほうが多いと思いました。

絶対に成功する方法というのはないけど、絶対に失敗する方法というのは存在する。いろんな人が経験した失敗の経験を知識として共有する事で失敗しない確率、すなわち成功の確率をあげる事ができる。

営業のとき、中堅だった僕には忘れてしまったような些細な事で苦しんでいる新人営業マンがたくさんいました。中にはメンタル的な問題を抱えてしまったり、やめてしまったりした人も。

当時の僕はそういう新人に対して当たり前のアドバイスしかすることができませんでしたが、新人営業マンが経験した失敗を解決して終わりではなく、共有化して伝えて行く事で少しはそういう悩みをなくす事ができたんじゃないかなぁなんて。昔の事を思い出して少し切なくなりました。

■失敗学

・創造力を身につける上でまず第一に必要なのは決められた課題に解を出すことでは無く、自分で課題を設定する能力。

・失敗を伝えることで人と同じ失敗をする時間と手間を省き前の人よりもワンランク上の創造の次元からはじめる事ができる。

・マイナスイメージがつきまとう失敗を忌み嫌わずに直視する事で、失敗を新たな創造というプラス方向に活用することができる。

・失敗は一時的に私たちの心を苦しめるが、実は発展のための大きな示唆をつねに与えてくれる。

■失敗情報の伝え方

・失敗を使える知識に変換できなければ、その失敗を次の失敗の防止に役立てる事も、進歩の種として活用することもできない。

・客観的情報は役に立たない。失敗が起こった心理状態までがわかるような情報により、失敗を自分の立場に置き換え実感する事ができて初めて他人の失敗から教訓を得る事ができる。

・失敗の伝え方は「事象」「経過」「原因」「対処」「総括」に加えて「知識化」という項目が必要。

■致命的な欠陥が怒る原因

・技術が成熟している。技術が成熟しマニュアル化が進むことで担当者が異常に気づくことができない思考停止が起こる

・大増産、コストダウン対策、リストラ策が図られている。無理な状態からマニュアルが遵守されない、保守点検がおろそかになるなどの状態になる。

■現在の日本と失敗

・日本の強みは改善ではあるが、問題が起こった時の影響が大きい様であれば絶対に変えない、いじらないという決断も必要。

・学校で教える知識は洗練されて課題から結論までが一直線。しかし実際の創造の作業はバラバラのアイデアを結びつけて課題から結論までをなんとかつなぐ試行錯誤のプロセスである。

・日本は欧米という先例に学び知識を吸収し無駄の無い最短の道を選択することで成功した。しかし追われる立場になり、お手本も無くなり新たな創造を求められる中ではその方法は使えなくなっている。

■その他

・失敗が起こったときに思わず隠してしまうのは人間の心理として仕方ない。しかし隠しきれない失敗を起こした時にはそれ以上失敗を隠すことは絶対にさけなければいけない。その段階ですべてを明らかにできれば、致命的なダメージは避けられる。

・失敗を伝える側も繰り返し話すことでめんどくさくなって、形骸化する事もあるので注意が必要。




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