2010年3月7日日曜日

競争優位のシステム

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今年の8冊目。

mumuyauさんに追いつくまであと1冊・・・

昔から言われている事だが日本企業は物の作りこみは強いが仕組み作りが下手。仕組み作りがうまいのは断然アメリカ。

ただ家電製品がアナログからデジタルに進化し、モノづくりで差がつかなくなり日本の優位性が失われて行ってしまい。最後の砦(?)である自動車業界でも今後ガソリン車から電気自動車に進化する事でモノづくりでの優位性が失われるかもしれない。

そんな中競争優位性のあるシステムを作る能力が無い企業は生き残っていく事は難しくなるのかもしれませんね。おーこわっ。

しかし著者の例え話は本当に秀逸。腹にストンと落ちます。

最近、グローバルマーケティングという細部の本ばかり読んでいたのでたまには違った内容の本を読むのも良いですね。

■差別化

・差別化は競争から逃げる為の手段
・製品・サービスの差別化と事業システムの差別化と二つある
・製品レベルの差別化は真似されやすい。事業システムの差別化は真似されにくい。
・顧客に価値を提供し、競争相手がまねる事が難しい、場合によっては競争相手に真似する事を諦めさせてしまうような事業システムを作る事が重要

■事業システム

・どの活動を自社で担当するか。事業の幅と深さの選択。
・社外の様々な取引相手との間にどのような関係を築くか
・分業の構造、インセンティブのシステム、情報、モノ、お金の流れの設計の結果として生み出されるシステム
・「どのような顧客に」「どのような価値を提供するか」をもとに事業システムは設計されるべき

・事業システムの評価基準
①有効性:顧客にとって価値があるか。
②効率性
③模倣困難性:
④持続可能性:
⑤発展性:

・今までは「規模の経済」による事業システムがほとんど。新しい事業システムは「スピードの経済」「組み合わせの経済」「集中特化と外部化」によるもの

■スピードの経済

・メリット
①顧客価値を向上させる事ができる 例)アスクル、フェデックス
②投資効率を向上させる事ができる 例)コンビニ、ファルマ
③売れ残りのロスを削減する事ができる 例)ベネトン、シャトレーゼ
④商品転換が容易である 例)セブンイレブン、デル

・スピードの経済を活かした事業システム構築のカギ
①情報ネットワークの進歩
②講義のロジスティック
‐生産から小売りまでの一気通貫プロセス、緩やかな統合

・太いパイプと細いパイプどちらで水を運ぶのが効率的か?

■組み合わせの経済

・メリット
①組み合わせによって顧客にとっての価値を高める事ができる 例)コンビニ
②ロジスティックシステムの効率的な利用を図ることができる 例)ヤマト運輸、アスクル、
③情報や知識の多重利用ができる 例)CCC、
④異質な情報を総合することによって判断の質を高める事ができる

■集中特化と外部化

・集中特化とは刑駅の焦点を一つの事業に絞り込む事
・第二のレベルの集中特化は業務の集中化 例)キーエンスのファブレス、任天堂

・集中特化のメリット
①自力で生きていかなければならないという緊張感が生み出される 例)象印魔法瓶
②独自能力(コンピタンス)を確立し、強化する事ができる 例)村田製作所のセラミック
③厳しい要求を持った顧客からの情報を自然に集める事ができる 例)リードユーザー
④明確な事業のコンセプトを共有し、それにこだわることができる

・外部化のメリット
①市場競争原理をうまく使う事ができる
②専門家の力を利用する事ができる
③企業の伸縮自在性を高める事ができる
④仕事をする人々の意欲を高める事ができる
⑤仕事のスピードを速める事ができる

・全く売れなかったゴルフ練習場内のゴルフ店がどうやったら売れるようになったか?
・組み合わせをすべて自社でやる必要はない
・集中特化はハイリスク・ハイリターン。
‐急激な環境変化に弱い
‐顧客が限定されてしまう。

■新しい事業システム

・新しい事業システムの共通点
①事業のコンセプトが明確。「誰に」「何を」「いかに」売るか。
②不可能を可能にするための新しい知恵

・新しい事業システムを支えるもの
①情報技術の進歩
②ロジスティック

・過去のコンセプトはなぜ通用しなくなるのか?
①世の中の変化と共に魅力的だった価値が薄れていく
②事業システムのほころびを直しているうちにコンセプトが不明瞭になる
③事業システムの拡大を目指して、幅広い顧客を相手にしようとするために、コンセプトが不明瞭に

⇒対策
①顧客の声をよく聞くが、それに迎合しない事。顧客の声を聞かないと世の中の変化に乗りおくれてしまう。かといって顧客の声に流されてしまうとコンセプトが不明瞭になる
②基本的な精神の遵守

■情報化

・価値創造のプロセスを活性化させるもの:情報獲得→意味発見→アクション

・情報獲得
①情報技術
②情報を取り入れるような人的ネットワーク
③情報を発生させるような実験を許容させるような組織

・意味発見
①情報の融合のための組織:コミュニケーションと自由な議論
②情報の異質性:暗黙知を取り入れる仕掛け
③個人の知識や認識プロセス
④情報から真剣に意味を読み取ろうとさせる仕組み

・アクション
①実行の組織:すぐに動く事のできる組織
②企業間取引関係:信頼や信用
③ロジスティック

・事業システムの競争優位の差を生みだすものは
①情報システム以外で模倣困難な工夫をする事
②先行に優位をいかすための工夫
③多様で細やかな工夫の導入 例)京セラ稲盛「特別な技術を持っていないのに特別な製品を作る事ができる能力をもっている事のほうが真似が難しい」
④勝ちが勝ちを呼ぶ現象をつくる

■競争優位をいかに持続させるか

・独り勝ち企業の憂鬱
①アンチ顧客の出現
②内部の慢心とゆるみ
③競争相手の軽視
④イノベーションの抑制
⑤いったん出来上がった能力を消して新しい能力を作る事はゼロから新しい能力を作るより格段に難しい
例)家に住みながら建て替えを行うようなもの

・持続させる方策
①事業システムの中での規律の維持
②顧客の声をよく聞きながらも、それに迎合しない

・事業システムの組換のトップダウンアプローチ(花王)
①リーダーシップ
②社内での危機の認識。受け容れる下地
③「だれに」と「何を」がはっきりとしている
④外部のパートナーの説得
⑤スピード。組換時に耐えうる財務基盤

2 件のコメント:

mumuyau さんのコメント...

おほほほほ、負けませんわよ♪

・・・っていいたいところですが私もかなり停滞中です。
このままじゃ年間100冊が危ない!
というわけで、若干ターボ巻いていきます!
数こなせばいいって話じゃないですけども、
お互い少しでもいい本に出会いたいものですね。

つじ さんのコメント...

先生や同級生の方々から色々とご紹介を受けて読まないといけない本ばかりたまって行きます。

どれを読んでよいのかよくわかってないという状況です・・・

しかし世の中っていっぱい本ありますねー。