2010年1月19日火曜日

マーケティングメトリクス

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今年の4冊目。

メトリクスをマトリックスの事だと思ってて、なんか新しい2×2のフレームワークについて書かれた本なのかなと思ってたら、mマーケティングをどう測定するかという事について書かれた本でした。

metrics:評価指標なんですね。はずかしい。

この本を読んで、キヤノンの御手洗冨士夫さんが言った「数字なき物語も物語なき数字も意味がない」という言葉を思い出しました。

マーケティングは4Pの各項目がどれだけつながりよく働くかといった事を予測する、極端に言うと想像力が大事なんだろうなぁと思ってましたが、その物語にいかに数字の裏付けを持たせるか。そして数字も単に机上の空論では意味がなく、いかに実行することの整合を持たせているか?という事が大事という事なんでしょうね。

そして時代の変化に対応するべく、その指標も常にアップデートしておく必要がある。ホントそのとおりだと思います。

良い気づきを与えてくれた本でした。

■マーケティングメトリクスとは?

・マーケティング・メトリクス:マーケターがその市場行動を見極め、行動結果する際に使う指標

・有能なマーケターに必要な能力:

①アリの目(ミクロ)と鳥の目(マクロ)の自由置換

‐アリの目:個々の顧客の動きを観察し、その動きへの対応を考える(ミクロ視点)
‐鳥の目:多くの顧客の大衆行動が作り出す市場の流れを観察しながら、明日への戦略の構想を忘れない。(マクロ視点)

②質量両面の相対的思考

‐数字による量的思考:費用対効果や効率化や採算性など
‐戦略や活動についての質的思考:売上高成長率や粗利益率などの数字を動かす為にどのような戦略が必要なのかということに対する思考

・マーケティングメトリクスの各種指標を参考にしてマーケターはミクロとマクロの自由置換や質的両面の相対的思考を行いマーケティング目的を達成する事が必要

・様々なマーケティングメトリクスの統合によって得られる情報はいわば車のダッシュボードのようなもの。ダッシュボードに適切なメトリクスを揃えることが必要

・この本は有能なマーケターにとって不可欠なメトリクス(指標)をマーケティングに関する論点に照らし合わせながら解説した本。

■組織型ダッシュボード構築のために

・市場環境の変動に対して対応するために鮮度の高い組織型ダッシュボードを保つ必要がある。そのために行動型ダッシュボードを組織型ダッシュボードに転換する事が必要。

・行動型ダッシュボード:マーケターが意識するしないにかかわらず使っているダッシュボード

・組織型ダッシュボード:行動型ダッシュボードを踏まえて企業全体として備えるべきダッシュボード

・組織型ダッシュボードのメリット
①統合的な情報基盤になる
②マーケティング意思決定過程の統合の促進
③企業全体のコミュニケーションがすすむ

■具体的なメトリクス(119個)

1.対象市場について

・論点:市場について/製品ライフサイクル
・メトリクス:発展指数/成長率/相対的成長率

2.シェアについて

・論点:市場シェア/規模の経済・経験の経済/PPM
・メトリクス:市場シェア/市場集中度/ブランドシェア/相対的市場シェア

3.収益性

・論点:
・メトリクス:事業資産営業利益率/粗利益率/売上販管費率/商品回転率・交差比率/売上目標/

4.顧客創造

・論点:顧客とは/顧客の意思決定/顧客満足
・メトリクス:顧客化過程(購買行動の分析)/市場浸透(試買や反復購買など)

5.バリュー顧客(優良顧客)

・論点:
・メトリクス:顧客利益/顧客の生涯価値/見込み顧客の生涯価値/顧客資産

6.ブランド

・論点:ブランド
・メトリクス:価格弾力性/価格プレミアム/ブランド忠誠/ブランドエクイティ

7.広告

・論点:広告/インターネット広告
・メトリクス:広告/インプレッション/インターネット広告関連

8.販路

・論点:
・メトリクス:販路流通費用率/販路適合性/販路システム/SCM/取引依存性

9.営業力

・論点:
・メトリクス:営業部隊の規模/営業努力の適正配置/営業の業績評価/トップ営業マン活動スコア/営業ファネル(営業対象者の絞り込み過程)/営業損益分岐売上高

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