2010年1月16日土曜日

新興国発超優良企業

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今年の3冊目。

面白かった。しかも相当。超おすすめ。

昨日から始まった新しい授業、グローバル経営の参考図書に挙げられていたので読んだんだが、もう一冊の教科書に指定されていた本より、断然面白かった。授業の内容もこの本と一致する点が非常に多いので、理解を深めたい人はお勧めします。なんて僕が言うことでもないか。

しかし本を読んだり、授業を受けたりで、新興国に行きたい。という気持ちが爆発寸前です。

トップは新興国行くと言っているが、誰も行きたがらないなんていう事を言ってる人がいましたが、うちの会社はこんなに行きたいと言っている人がいるのに行かせないなんて本当にもったいない。

能力不足?

■グローバリティ

・グローバリティ:「あらゆる国々」の「あらゆる人々」と「あらゆるもの」を競い合う時代
・今はグローバリゼーションからグローバリティへと変わっている⇒昔は新興国を生産拠点、今は市場とみなしている事が多い。しかしこれからは新興国発の企業(チャレンジャー)と競合したり、手を組んだりしていく時代になると言う事。

■津波

・チャレンジャーと既存勢力の違いはスピード
・チャレンジャーの台頭のスピードは「津波」が押し寄せているようなもの、緊急性を認識し、対応を今すぐはじめないといけない。
・チャレンジャー躍進の理由は「グローバルな資源の活用」と「飽くなきハングリー精神」
・「バリューチェーンにおける地位の向上」「新興国内インフラの急速な整備」「イノベーション力の増大」などでさらなる大変化がおこる予兆
・日本もかつてチャレンジャーだった

■ネクストビリオン(次の十億)

・ネクストビリオン:富裕層とピラミッドの最下層(BOP)のちょうど中間に位置するグループ
・チャレンジャーはネクストビリオンを次の収益源として狙っている

■7つの闘い

・グローバリティの時代に勝つためには以下の「グローバリティ時代の7つの闘い」に勝っていかないといけない

1.コスト格差を意識する

・重要なのは「低コストを目指す」事ではなく「コスト格差をつねに念頭に置く事」

・コスト削減の柱
‐労働力を最大限に活用する:労働力を削るのではなく最適なレベルに合わせる
‐クラスタ化する:
‐巨大な規模を実現する
‐単純化する

・既存勢力への示唆:チャレンジャーと同じレベルでコストを意識する
※既存勢力が新興国で業務を始めても方針の違いによって同等のコスト削減ができるとは限らない

・実現のポイント
‐製造以外の業務を移転する
‐その国の現状を学ぶ
‐現地に暮らす
‐パートナーを作る

2.人材を育成する

・新興国にも優秀な人材はあふれているわけではない
・必要な人材は見つけるものではなく育てるものである

・人材育成のカギ
‐急成長を目指して雇用する
‐育成し根付かせる:学習能力の高さが重要
‐即戦力化できるような配置をする
‐仕掛け人に立ち上げを任せる:起業家的な側面を持ったチームリーダー

・既存勢力への示唆:人材にカネを惜しむべからず

・実現のポイント
‐先進国企業の考えを変えていく:現地に製品のイノベーションをさせる、ローカルな経営方針や戦略を練る
‐現地にチームリーダーを作る
‐ローカルとグローバルのバランスをとる
‐どうやってではなく誰がを考える

3.市場に深く入り込む

・巨大市場の表面をなぞるのみで終わらず、いかに奥深くまで浸透し、膨大な数の潜在顧客を掘りおこすか?

・深く入り込む為に
‐新しいカテゴリーを創り出す
‐スイートスポットを見つける:商品の価値と値段が一番つり合うところを見つける
‐ローカライズする
‐混沌の中で流通網を築く
‐企業向けビジネスを手掛ける
‐新たな市場へ進出する:別の新興国へ、あるいは先進国へ

・既存勢力への示唆:可能な限り深くまで入り込む

・実現のポイント
‐現地の消費者を知る
‐現地の流通システムを学ぶ:新興国では商品を流通させるのが難しい
‐長期的な視野を持つ:新興国進出は思っているより難しい

4.ピンポインティングをおこなう

・業務を小さな単位に分けてモジューラー化し、各業務を世界中で最も適した地域に振り分ける。オフショアリングなど。

・ピンポインティングの目的
‐顧客との絆を築く
‐複雑性を分散させる
‐ビジネスモデルを刷新する

・既存勢力への示唆:再考し、再構築し、刷新する

・実現のポイント
‐既存の資産と向き合う:バリューチェーンが出来上がっている既存企業にとってピンポインティングは大変、チャレンジャーはゼロからの構築なので恵まれている
‐シームレスな連鎖を実現する:モジュール化する力、全体マネジメント力、モジュールをまとめる力が必要
‐すべての地域を生かす

5.大志を抱き、迅速に行動し、外に出ていく

・先進企業が最も驚いたのはスピード。急速に成長するために用いたのが合併・買収・提携・合弁

・重要なポイント
‐一気に規模を拡大する:チャレンジャーにとって買収は短距離走ではなくマラソン
‐他力を活用してブランドを構築する:ブランド価値を高めるために買収
‐組織能力のギャップを埋める
‐バーター取引をおこなう

・既存勢力への示唆:みずからの限界を知り、その限界を消し去れ ※既存勢力はためらいを捨ててチャレンジャー企業と絆を強めないといけない

・実現のポイント
‐数多くの役割を果たす:時にはライバル、時にはパートナー
‐戦略的に考える:買収の意義ではなく買収によって何が実現できるかを考える
‐バリューチェーンの評価を行う
‐外に出ていくための体制を作る

6.創意工夫によりイノベーションを起こす

・グローバリティの時代には現代的なイノベーションと臨機応変な創意工夫を組み合わせていく必要がある。

・イノベーションのための工夫
‐他社のアイデアを応用する
‐すでにあるものを活用する
‐矢継ぎ早にアイデアをだす

・既存勢力への示唆:あらゆる手を尽くしてチャレンジャーのイノベーションにやり方を学ぶ

・実現のポイント
‐協業する
‐多様性を追求する:西洋のノウハウと東洋のアイデアを組み合わせる
‐借用する
‐開発途上国に貢献する:政府の求めいているイノベーションを起こすことでその国と継続的な関係を築ける
‐それでも慎重に進む

7.多元性を受け容れる

・国によって色々と違う。その違いを違いを受け入れ活かしてこそ強みを発揮できる。

・多元性の時代を行く抜く為に
‐世界のどこで存在感を示すかを決める
‐各地域の特色を保つ:新興国の強みはその国が持つ多様性のなかにある
‐多極化する

・既存勢力への示唆:調和させる

・実現のポイント
‐さらなる多極化を目指す
‐オープンな環境を作る

■まとめ

・グローバリティは好機でもあり脅威でもある
・新興国で現地の企業とビジネスをするのは、先進国市場で既存勢力企業を相手にするのとは全く事情が違う
・グローバリティはいいことばかりではない、不満あり、混乱あり、不可思議あり、疲弊あり。だが同じくらい、活気や啓発、豊かさに満ちている。
・飛躍する方法はたくさんあり、どれが常に正しい、あるいは間違っているかは断言できない。けど飛躍するためには今までと同じことを続けるのではなく、グローバルな変革を遂げる必要がある

・グローバルな変革を遂げるための行動

‐自社の競争上のポジションを評価する:何が脅威で何がチャンスかは業界によって異なる
‐発想を変える:自分自身の目で見る、成功例を活用する、事実に基づいた分析を積み上げる、トップの人々を啓蒙する
‐自社の人材の現状を評価し、あるべき姿へ移行させる
‐好機をもれなく把握する:当初の目的から発展させあらゆる可能性を活用する
‐将来のグローバルな体制を定義する
‐創意工夫を促す
‐変革を最前線で指揮する

・グローバリティの時代に自社が成功をおさめるという心の準備はできているか?
・グローバリティにおける成功とは、いかなるものか
・チャレンジャー企業の幹部の多くが「自国の為、自国の将来の為に働いている」と堅く信じている
・あなたの行動、あなたの決断、あなたの考え、あなたのふるまいが人々の生活に影響を及ぼし、世界を変えていく。いい方向に変えるか、悪い方向に変えるか。それはあなたにかかっている。

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