マーケティングは一人の顧客と二人の売り手の三角形で考える。二人の売り手のうち自分の商品を買ってもらう工夫がマーケティング。
自分の商品を買ってもらうためには競合に対する差別化が必要。
差別化をするには製品による差別化という方法もあるけれど、仕組みによる差別化という方法もある。しかも製品による差別化は結構すぐに真似されてしまうけど、仕組みというのはそう簡単には真似ができない。
ということで今回のテーマはビジネスモデルです。
たとえばコカコーラ。コカコーラの収益基盤はその自動販売機網にあるということはよく言われますが、これは競合他社に対してビジネスモデルで差別化していると言えるのではないでしょうか。三角形売り手理論でいうと売り手が多いというイメージ。そしたら三角形じゃないんだけど・・・
■ビジネスモデル:事業の仕組み
・製品は真似されやすいが仕組みは真似されにくい、競争優位の源泉としての仕組みが重要。
・事業の仕組みの設計:事業の幅×事業の深さ
‐事業の幅:どの活動を自社で担当するか、自社が手掛ける事業分野
‐事業の深さ:取引相手との関係。開発、調達、製造、販売の職能分野の範囲
・事業システムの評価基準
‐有効性:顧客にとっての価値
‐効率性:より少ない資源で実現
‐模倣の困難性:競争相手の模倣の難しさ
‐持続可能性:維持・向上、環境の変化への対応
‐発展の可能性:事業システム自体の発展性
・事業の仕組みの設計原理
‐規模の経済:製品・サービスの産出量に伴う、単位あたりの平均費用の低下
‐範囲の経済:複数事業運営による、資源の共通利用
‐速度の経済:スピード向上により得られる経済的
‐集中化と外部化の経済:事業分野と業務活動の特化、本業以外の業務活動の業務委託
■バリューチェーン
・バリューチェーン:製品やサービスは垂直的に連携する事業活動でできている
・ポイント
‐モデルは各業界や企業によって異なる
‐どのバリューチェーンにかかわっているか
‐どの部分にリソースを集中し競争優位があるか
‐バリューチェーンのコアはどこにあるのか?
⇒バリューチェーンのどこで利益を出しているかが大事
■規模の経済
・利点
‐製品・サービスの産出量に伴う、単位あたりの平均費用の低下
‐固定費の分散
‐在庫費用の削減(在庫集約)
‐大口購買によるコストダウン(交渉力増大)
・デメリット
‐作ったものは売らないとだめ
‐大規模組織の管理が難しい
‐不確実な需要への対応
■範囲の経済
・組み合わせの経済:全く新しいところから生まれるのではなくあるものの組み合わせ
‐ブランド戦略
‐顧客価値を高める組み合わせ(様々な商品、ショッピングモールなど)
‐生産やロジスティックを他用途に用いる(プラットフォームの活用例 楽天、アマゾンなど)
‐情報の多重活用(販売データ、ノウハウの活用によるFCビジネスなど)
・組み合わせに関連の無い多角化は範囲の経済に適合しない(電鉄の沿線開発⇒駅ナカ)
■集中化と外部化の経済
・集中化メリット
‐経営資源の特化によるノウハウ蓄積
‐重要な情報が集まる
‐意思決定のスピードアップ
・外部化メリット
‐競争原理を取り入れることができる
‐専門企業を取り入れることができる
‐企業の伸縮自在性を高めることができる
‐スピードがあがる
・課題
‐急激な環境変化に弱い(集中化した領域がイノベーションの発生などにより抜本的に時代遅れになった時に対応できない)
‐顧客が限定される(特定顧客に過度に依存することで新たなビジネス領域を見逃す。イノベーションのジレンマ)
■スピードの経済
・需要変動が激しく、予測が難しいような領域では需要予測に対応できるスピードを持つことは非常に重要
・利点
‐需要変動に対応でき在庫削減、機会損失を減らせる
・ポイント
‐売れる商品を置く(POSシステム)
‐実需要に対する精度を上げる(QRシステム)
‐垂直統合システムを作り上げる(SPAシステム)
ところでコカコーラの自動販売機はなんの経済??
2009年12月15日火曜日
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