2009年8月27日木曜日

世界最強企業サムスン恐るべし!

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今年の49冊目。

東芝、シャープを取り上げた経営戦略の授業で共通ででてきた競合がサムスン。

一体どんだけすごいんだろうと思い読んでみました。あんまり知らないんですよねサムスンについて。で読み終えた感想はと言うと・・・絶句。

日本市場のガラパゴス化といいますが日本人って経営、国民の意識全てがガラパゴスしてるんじゃないでしょうか?

本気で世界に目をむけなければと強く思いました。イギリス船に大砲撃つ位の意気込みで世界と戦いたいと思います。

■サムスンとは?

・サムスンは世界的超優良企業。現時点では日本企業が勝つ事が不可能と言ってもいいレベルの強みを持っている。
・2004年純利益1兆円。世界中で見てもトヨタ位。日本の大手電機9社の合計以上
・2004年世界シェアNo1商品21種類(DRAM半導体、液晶パネルなど)
・2005年世界ブランドランキング20位、ソニーより上(ソニー28位)

■日本企業はサムソンになぜ負けたのか

・経営者の戦略能力と意思決定能力の違い。

・半導体での日本企業の敗因
‐トップの短期交代による一貫した経営戦略の欠如
‐1メガDRAM成功体験を捨て切れない事による新しい戦略の欠如
‐先端技術至上主義によるコスト競争力低下
・サムスンの勝因
‐イゴンヒの戦略構想力と果敢なスピードの意思決定能力
‐大量生産によるコスト競争力維持という一貫したモノづくり戦略
‐先端製品より売れる製品を生産するマーケティング力

・液晶パネルでの日本企業の敗因
‐日本企業で独占している事で油断しサムスンを競合視しなかった。(日本メーカー横並びで生産調整しそのすきにサムスンのシェア拡大を許した)

・液晶。シャープがんばれ!

・携帯での敗因
‐世界市場に対する戦略の欠落
‐通信方式の違い
‐販売方式の違い

■サムスンに革命が起きた日(元々は日本企業を研究し模倣してきた企業)

・新経営宣言。七・四制:朝七時に仕事を始めて夕方四時に仕事を終える。(スポーツや語学の勉強をして六時半には家に帰る)⇒20万人以上の社員の意識を変える為。
・フランクフルト宣言:グループの目標を韓国一から世界一へ。

■イゴンヒ(息子)

・熱烈な愛国者。事業豊国
・世界NO1を目指すという大胆不敵な発想力
・機械に精通
・協力なトップダウンで英断
(日本とアメリカに留学)
・構造調整本部という優秀な参謀組織を保有
・ひたすら戦略を考える。会社に出社しない

■イビョンチョル(父親・創業者)

・経営理念:事業報告、人材第一、合理追求
・五つ精神:創造精神、道徳精神、第一主義、完全主義、共存共栄
・スピード&集中戦略:一貫生産、垂直統合、工期短縮、最大規模
・経営手法:優秀な参謀本部(会長秘書室)、人材育成、責任と権限の明確化、個人別目標管理
・経営哲学:五つの教訓、独立独歩、不実(赤字)企業を作り出すことは犯罪

※五つの教訓
1.時代の動きを鋭く洞察
2.欲を抑え、自分の能力とその限界を見極め守る
3.偶然の幸運を当てにする投機は絶対に避ける
4.直観力を磨き、予備策を事前に講じる、大勢が傾き失敗したらすばやく過去を清算し事前の道を選ぶ
5.相場が高騰しているときは売り、相場が下落する時は買う

・人事に注力。「自分の仕事の90%以上は人事」
・座右の銘は「歩歩是道場」人は年老いて死ぬでは無く一歩一歩道を極め、自分を磨く事をやめた時、死が訪れる。
・人生観「空手来、空手去」人間は裸でこの世に来て、裸であの世に帰る」財産を自分の為ではなく社会と国家の反映に役立てたい

→ワンマン型の独裁政権がサムスン成功の鍵

■サムスン成功のポイント

・人材と教育:企業は人なりという、人が企業を動かす、企業の成敗を左右するのは人である、そしてその人を創り出すのは企業である

・選択と集中:2010年に世界ナンバーワン商品を50品目出す事を目標。(2002年時6品目)
※今(当時)力を入れているのがレーザープリンタ。カラー技術で競い合う日本企業を尻目にノンコアとなった白黒レーザーに集中しているという記述が興味を引いた。

・ブランドマーケティング:世界でのブランド価値の向上を狙ったマーケティング戦略。(ソニーを抜くブランド価値)

■その他の韓国企業

・ホンダを抜いたヒュンダイ。
・収益力で新日鉄を抜いたポスコ。
・白物家電の覇者。LG。
・日本企業との違いは、迅速な意思決定、経営者の実行力、選択と集中
・日本企業は韓国企業に謙虚に学ばないといけない時がきた。

2 件のコメント:

マックス さんのコメント...

つじさんがサムソン本を読み始めたとお聞き
しましたので私の方は「サムスンの研究―卓
越した競争力の根源を探る」(日経Biz)を注
文しました。サムソンで働きたいとは思いま
せんが、競合しなければならない立場として
頭を再整理したいと思います。
昔(1989年頃)、一般電子部品のマーケティ
ングをしていた時、サムソンよりソニーのビ
デオカメラのデッドコピーを作るための引き
合いを受けたことがあります。そのような会
社が今や世界一(ともいえる)の電子機器メー
カーです。神戸MBAで経営戦略を学ぶ上で最
も念頭に置くべき企業の一つであると考えて
います。

つじ さんのコメント...

マックスさん

僕がサムスンの本を読んで思ったのは、目をそむけたくなる現実も、現実ならうけいれないといけないという事です。

サムスンも、LGも、ヒュンダイも、ポスコも・・・

韓国企業の強さなのか日本企業の弱さなのかわかりませんが、まず現実を受け入れる。

そしてどうやって世界で戦っていくかを考えなければいけないなぁ・・・と漠然と思っています。

どうすれば良いかはわかってませんが。