2009年6月2日火曜日

イノベーションへの解

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今年の35冊目。

あなたがある症状の治療を受ける為に主治医の所に行ったとする。

すると医師はあなたの説明も聞かずに処方箋を手渡してこう言う。「これを二粒飲んで、朝になったら電話してください。」

「でも、これが私に効くってどうしてわかるんですか?」とあなたは尋ねる。「どこが悪いか、まだお話してもいないじゃありませんか」

「どうして効かないんです?さっきの患者さん二人は、これですっかり良くなりましたよ」

まともな病人なら誰もこんな薬を受け取りはしない。ただ研究者、コンサルタントや経営者は日常的に経営問題に解決方をこの調子で施し受け入れたりしている。何かが一握りの優良企業に役立ったとなると、あらゆる企業に同じ薬を飲めば効果があると助言する。
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という素敵な小話もあるこの本。イノベーションのジレンマの著者クリステンセンの著作です。イノベーションのジレンマにすごく感動し、忙しいにも関わらず読んでしまいました。おかげで予習等全くできていません・・・

ブライアン・コヴィーの例えでもそうだけど、僕って結構小話に弱いタイプですね。

■イノベーションへの解

・イノベーションのジレンマが理論の構築を目指したのに対しこの本は理論を用いる方法を教えること
・新たな破壊的成長事業を行なう経営者は、才気あふれる戦略者でないといけない。ということは無い。

■まとめ

1.実績ある競合企業にとって魅力的な顧客や市場をターゲットにしてはいけない。実績ある競合企業が喜んで無視するか瀬をむけるような破壊の足がかりを発見する
例)ミニミル、鉄筋⇒線材⇒形鋼⇒鋼板

2.優れた商品を使っている顧客ではなくて、無消費に対抗する方法を考える。何も持たない状態と比べるから顧客を喜ばせる方法が費用をかけずに、簡単に実行できる。
例)ソニー、トランジスタラジオ 真空管を買えない人を攻略

3.無消費が無い場合はローエンド型破壊戦略の可能性を検討する。安く売っても魅力的な利益を実現できるビジネスモデルを考える。
例)ミニミルの鉄筋、マクドナルドのコーヒー!

4.顧客がすでに片付けようとしている事をいっそう手軽に安価にこなすのに役立つ方法を考える。「顧客が○○してくれたらいいなー」みたいな甘い考えは禁物
例)ゼロックスのインクジェットプリンタvs HP

5.入手可能なデータ(製品タイプ、価格帯、人口学的分類など)ではなく顧客が片付けようとしている用事(ドリルではなく穴、映画ではなく娯楽。マーケティングマイオピアの考え方に近い概念)に即した方法で市場を分類する。
例)ブラックベリー、有意義な時間をすごす為のもの

6.ローエンドに目を向ける事で競争基盤を変化させるチャンスを見出せる事が多い。
例)ミニミル?

7.破壊的製品やサービスが十分じゃない状態で外部委託や提携を考えてはいけない。
例)IBMがモジュール化した事で部品特化型企業の台頭を招いた

8.コア・コンピタンスに適合するだけでなく次の3つの条件を満たす事が必要

①成功する資源はあるか?
②わが社のプロセス(社内でこれまで培ってきた事業を成功させる為に連携する方法)は新事業を成功させる為に必要な事を行なううえで役立つか?
⇒プロセスで見たときに自分たちの戦うゲームかという事?
③わが社の価値基準(社員が優先順位付けをする際に用いる判断基準)は、時間、資源、人材をめぐって競争している他の事業の実行計画より、この事業の実行計画を必要なだけ優先させるか?
⇒権限委譲された人たちが十分に働くかって事?
*持続型は内部で破壊型は外部で
例)バンクワンのオンライン銀行、持続型なのに独立組織にして失敗

9.新事業のチャネルについても8の3つの条件を満たす必要がある。破壊的製品には破壊的チャネルが必要
例)ホンダのアメリカ展開時のスポーツ店?、ソニーとディスカウントストア

10.新事業のマネージャーは過去の実績ではなく、過去に行なってきた事が新事業が直面するであろう諸問題を解決する経験になっているかどうかで選ぶ

11.新事業立上後数年間は有効な戦略を早く見つけるように常にマネジメントする。

12.利益を気短にせかす

13.成長を気長に待てるように、会社の成長を持続させる

お勧めですが、やっぱりイノベーションのジレンマかなぁ?

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