2007年の春の704i発売以降DOCOMO2.0という名前で大々的にプロモーションを行っているDOCOMOの戦略について考えてみたい。
■目的・ターゲット
改めて説明する必要ないと思うが浅野忠信、長瀬智也、妻夫木聡、瑛太、吹石一恵、土屋アンナ、蒼井優、北川景子と超豪華メンバーが出演するドコモのCM。率直な感想で言うとなんとなくかっこいいが、結局なにがなんだかわからないという事ではないでしょうか。
おそらくCMのメインの狙いとしてはナンバーポータビリティ以降auやsoftbankに押されている若年層をターゲットにして新規ユーザーを獲得したいという事と他社への流出を防ぐこと。今では使われていませんが最初は「そろそろ反撃してもいいですか?」というちょっと偉そうなキャッチフレーズが使われてていましたよね。
若手の人気俳優をたくさん揃え、出演者の組み合わせによって訴求したい機能別にCMを作成すると共にトータルのブランドイメージを高めるという戦略。まず最初に思ったのがDOCOMO2.0というメインのコンセプト。WEB2.0からとったんだろうと思いますが、その意味がわかる人にはタイミングが遅すぎだし、知らない人には全く意味がわからないというあまり良くないコンセプトだと思います。
またターゲットを狙いすぎたコンセプトを打ち出し過ぎた為高齢むけのらくらくフォンや子供向けの携帯のCMは販促のコンセプトと整合のとれていないものは別にCMをしていました。(これは正しい戦略ですね)
そして問題のなにがなんだかわからないという点に関しては、多機能さを訴えるばかりに焦点がぶれる、タレントもオールスター級をならべすぎた為にイメージがぶれるという事につながっているんだと思います。
■ポジショニング
僕のイメージでいうと「ソフトバンク=安い」「au=音楽⇒?」という印象を持っています。音楽での差別化がつきづらくなってきていてauのポジショニングがイマイチぼけてきている気がします。僕が気づいていないだけかもしれませんが・・・また機会があればauについても考えてみたいと思います。
その中でドコモは明確な機能で訴えるだけでなく「多機能+ブランドイメージ」で差別化しようとした。そのことから前述したとおり多くの出演者が出演するDOCOMO2.0のCMシリーズになったんだと思います。
ちょっと調べてみると今までCMで放送された機能は次のとおり。
・体感ゲーム・2in1携帯・ワンセグ・お財布携帯・スリム・デコメール・うたホーダイ・基本料いきなり半額・地図・サクサクダウンロード・世界携帯・GPS・音声ゲーム・MUSIC&VIDEO・デザイン
とまぁ本当にいっぱい。しっかり覚えているものからそんなのあったっけというものまで色々あります。
CMによって放送された回数は違うのでしょうが僕が印象的に覚えているのが「いきなり半額」。最近ソフトバンク同士の通話料が無料という事で、恋人同士でソフトバンクの携帯を今使っている携帯に買い足すという人もでてきているようです。それだけ強い価格戦を取っているソフトバンクに対抗するためには多機能という訴求だけではなく価格面での訴求が必要だったという事だと思います。
携帯端末は最終的にはどこを使っても結局似たような機能になってしまう。携帯会社と携帯端末メーカーがどのように新機能に対する技術開発に携わっているかわからないのでわかりませんが、機能で差別化する事はなかなか難しいのでしょうか?
■今後の戦略
今後新料金体系等で買い替え時の価格があがったこともあり、買い替え頻度が下がる可能性がある。引き続き新しくて魅力的な機能を訴え続けて購入を促す。また新料金体系は長期的に使うと損ではないという事を啓蒙する事も必要だと思う。
また今後iPHONEやディズニー携帯等特定のセグメントに対してはめちゃくちゃ強いブランドをもった企業が参入してくる事から若年層といったセグメンテーションだけではなく、ライフスタイルを考慮したセグメントに対して効果的な販促を行っていく必要があるのではないだろうか。
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以上ドコモについて否定的な見方で考えてきましたが、僕はドコモのユーザーだったりします。やはり番号が変わらなくなったとはいえこれだけメールでのコミュニケーションが増えるとメアドが変わるだけで携帯会社を変更するのは抵抗がありますね。本文にもあるとおりソフトバンクの携帯も買い換えではなく買い足してるわけですしね。
また感覚的ですがドコモは先行者メリットと番号を変え辛いというメリットをいかして企業の一括契約などに強みをもっていそうな気がします。ソフトバンクが無料通話という強みをいかしておいしい顧客を狙ってくると厳しくなってくるのではないでしょうか。そういう意味では販促等のプロモーションだけではなく地道な企業向けの営業活動も重要になってくると思います。
またこれはドコモとは全く関係ないですが、日本の携帯メーカーに関してもデザインとAQUOS携帯などのブランドだけでしか差別化されていない気がするのでグローバルでシェアがとれるように頑張ってほしいですね。
2008年2月11日月曜日
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