2009年4月20日月曜日

成功は洗濯機の中に

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順番前後していますが、今年の25冊目。現時点では29冊です。

2000年の経営危機後CEOに就任し改革を行い、P&Gを20%と高い営業利益率を保ちながら、売上高を倍増させたアラン・ラフリー。

異業種へのパラダイム転換ではなく、従来の本業である消費者向け家庭用品の売り上げ改善を通じて、収益改善を格段に改善させた事からGEのウェルチ改革を超えたといわれるラフリー改革について書かれた本。

■ラフリー改革のポイント

・成功のカギは社員のやる気
・変えるもの、変えないものの明確化。戦略、業務のあり方は変える、企業方針、価値観は変えない。
・消費者理解を中心にイノベーション、メガブランド構築、企業規模、市場展開能力を組み合わせる。
・「Think Globally Act Locally」グローバル戦略立案×エリア市場展開のマトリックス型の世界組織

■決着の瞬間

二つの瞬間で勝つ。

第一の決着の瞬間:ブランドを「店頭で購入してもらう瞬間」
MDO(市場展開組織)が実施。小売チェーンと戦略連携して、常時店内陳列を最大化

第二の決着の瞬間:ブランドを「家庭内で実際に使ってもらう瞬間」
GBU(グローバルビジネスユニットが実施)。使用体験からコンセプト期待と製品性能が合致し満足する。

(消費財の売上は新規顧客×リピート率で決まる)リピーターの顧客維持にかかる経費は新規顧客獲得の五分の一。

■私の10の信条

CEOに就任すると全社員に私の10の信条を配布した。

1.社内改革を敢行する
2.「消費者がボス」の考え方を社内に徹底する
3.イノベーションが成長の活力源になる
4.戦略を立案するチカラを磨く
5.戦略を実行するチカラを磨く
6.ブランド構築のチカラを磨く
7.強い戦略は知識と学習の中から生まれる
8.P&G社員がすべての源泉である
9.直接的に、シンプルに、包み隠さず、可視化する
10.P&Gの企業方針、価値観、理念を実直に履行する

■経営リーダーシップ

2008年にラフリーが出した本に書かれている改革を推進するにあたって書かれた内容。ラフリー改革の総括。

1.消費者と取引先が「ボス」であるとする経営理念を車内徹底
2.成熟経済でも高成長できるイノベーションの有用性
3.高成長・高利潤を生む新規ビジネスの育成
4.世界中で新規顧客や新規市場を創造する
5.現行のビジネスモデルを再活性化させる
6.社外にある豊富な知識や創造力と手を組み活用する
7.イノベーションを、経営意思決定の主軸に統合させる
8.リスクを覚悟し、これをうまく管理する
9.ビジネス世界におけるイノベーション・リーダーになる


元店舗営業マンとして二つの決着の瞬間というのはかなりしっくり来た。ただ消費財では無い商品を売るとき第一の瞬間に多くの営業リソースを投入し売上をあげて利益につながるかが懸念事項。営業力で第一の瞬間を勝つのでは無く、ブランドイメージで勝つことが必要か。

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