2009年4月3日金曜日

巨大銀行の消滅

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今年の17冊目。

長銀破たんの原因はもともとの事業ドメインから新たな事業への転地ができなかった事ではないだろうか。

長銀は戦後復興を支えるため特に重化学工業を中心とする産業界に長期の設備資金を供給するために設立された。戦後日本が急成長したのと同様世界の金融の歴史でも珍しいほどの短期間で急成長を遂げる。そして長銀が長期資金を融資するという仕組みが終焉を迎える。

長銀は今までと同様の成長を続ける為に、新たな企業ドメインへの参入する必要がでてくる。そして国際業務やマーチャントバンキング業務など新しい取り組みを行い、長銀は投資銀行への業態変更を目指す。

しかし銀行の業務範囲は専門金融機関制度で「官」により決められており経営の意思で新たな業務を切り開くことができなかった。おそらくこの時合併する事がおそらく長銀にとって最善の選択であったのだろう。

そして政調の為にバブル期に不動産・ノンバンク融資拡大の道をたどることになる。そして、その後バブルがはじけ、不良債権を処理する中で急激な環境変化があり最終的に破たんする事になる。

バブル、バブルの崩壊、政治の問題等、長銀破たんの原因はいろいろあると思う。しかし長銀破たんの最大の原因は、設立当初の目的から新たな存在意義を見出す事ができなかった事。長銀が価値を生み出すことができなくなってしまったことだと思う。

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