「企業の目的は継続する事。経営者の仕事は企業を継続させること。」
正しいかどうかはわかりませんが、自分なりにまとめるとこういう結論になりました。
事業は企業を継続させる為の手段であって目的ではない。だから企業を継続させるために利益を出し続け、壊れた事業を再構築するために転地をし、後継者を育成しなければならない。という事なんではないでしょうか。
・日本企業の売上高営業利益率は戦後ずっと低下している。利益率の水準も同業の米国企業と比較すると著しく低い。
・日本は成熟事業にヒトとカネを貼り付けてカイゼンし、技術の力で脱成熟を目指す。その事が事が利益の低下を招く。
例)白黒テレビ→カラーテレビ→薄型テレビ
・米国は壊れていない事業をほっておく一方で、新規事業に挑み壊れた事業を根本から直しに行く。
・最低でも10年かけて不可逆な変化を起こす事が経営の戦略
・戦略は立地、構え、戦術、管理の4層構造をとる
‐立地は誰に何を売るかで決まる。企業の利益ポテンシャルを決める
‐構えは事業をどう組み立てるか?バリューチェーン、製品ラインアップ、拠点ネットワークの設計。どのチャネルで売る?製品展開の幅は?などを立地に沿って考えると決まってくる
‐戦術は4P的観点や生産工法など
‐管理を失敗すると利益ポテンシャルの実現ができなくなる。
・戦略の4層構造のどの部分を見直すかは時代の趨勢や自社の内情を読み込み経営者が一人で決断する問題である。経営者の決断の成否は企業の命運まで左右する。
例)失敗:コマツの脱建機 成功:キヤノンの脱カメラ
・成熟事業をどう扱うかが日本と米国で異なり米国は立地思考、日本は戦術思考。利益をあげるという点では米国が勝っている。
・テレビが利益が出なくなったのは、新規参入者(韓国勢)の台頭、供給者が海外勢を後押し、小売りの巨大化。(5F的視点)
・市場環境は大きく変化している。戦後の復興期に定めた立地に安住して、製品のカイゼンに終始するようでは先がない。
・欧州のものづくりは製品ライフサイクル理論とは無縁のままで、無形の価値を追い求めることができる
・事業の立地には寿命がある。肥沃な立地もいずれ不毛の地となる。
・企業に寿命は無い。立地や構えを変える転地の能力を持つ企業だけが変化の荒波を乗り越えて長寿を達成する。
例)IBM ハカリ→電子計算機→ネットワーク→コンサルティング
・転地を行うには反発が多い。スピンアウト(新規事業を独立させ事業展開する事)や、創業者やすぐれた経営者などがリーダーシップを発揮し主導する事が反発を乗り越えるために必要
例)スピンアウト:イトーヨーカドー→セブンイレブン
・近年の日本は短絡的な手ばかり行っている。みんなが同じ事をしたら何もしないのと同じ事である。将棋の妙手のように最初は意図不明でも局面が進む中で効果が明らかになり、周囲の感嘆をさそうような妙手をさせるような経営者の育成が必要
・効率を上げるために分業が進む中で自らは分業する事が許されない経営者の重みが増す。経営者は時間軸上のタテの統合と専門分野のヨコの統合を果たす必要がある。現在と未来のつながりが見える経営者にしか妙手はさせない。自分の専門外という逃げ口上を封印できる経営者にしか事業の統合は果たせない。
・良い経営者を育てるには常に視野を広げ、志を持ち上げるさせるという事しかない。
2009年5月1日金曜日
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